Dr.Yの「ゆったりまいろう!」

ゆったりとMileを貯めたい青組マイラーのブログ

MRJで妄想してみよう…

ファーンボロから続々とE2シリーズ受注の報せが届いていて羨ましい限りです。

一方でMRJは現地の会社にトーイングトラクターをぶつけられ、2日目のデモフライトを断念と、なんともやるせない思いです…。

本日は飛行予定とのことで頑張ってもらいたいものです。

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さて、本日は、下記のニュースをもとに妄想してみたいと思います。

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MRJ90および70の後はMRJの派生をと考えているようです。以前MRJ100というストレッチ版の計画もあったようですが、ボンバルディアボーイングが手を組んだ以上現実的ではないと思われます。そこで個人的にはこのクラス唯一無二のSTOL機はどうだろうかと…。

 

TRAVELIST

 MRJの今後の開発は? - STOL機の提案

STOLとはShort Take Off and Landingの略。つまり、短距離離着陸のことです。

 

小笠原空港問題 東京〜小笠原はATR42-600Sで成り立つか?

さて、突然話はそれますが、昨今、小笠原空港建設議論が話題になっています。

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小池都知事は就任早々に小笠原空港建設を支持。当初、1200mの滑走路を想定していたようですが、これだとだいぶ峠を削らないといけないとのこと。そこで1000mに滑走路を抑えるという案が出てきました。

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(↑父島 洲崎地区に1000mの滑走路案、旧日本陸軍の飛行場の跡地です)

 

ただし、これだとジェット化はできず、DASH8も使えず、ATR42-600のSTOL型であるATR42-600S(2020年運用開始予定、800mの滑走路で離着陸できる)を前提にしているようです。ただ、このATR42はもともと1984年に初飛行した飛行機で、それ以降アップデートされているとはいえ、基本設計が古いことは否めません。巡航速度は300kt(556km/h)で、MRJをはじめとするジェット機の6割ほど。逆に言えば倍近く時間がかかることとなります。同じターボプロップであるDASH8の巡航速度(667km/h)と比較しても見劣りします。また東京〜小笠原感は直線距離で約1000km(東京〜種子島女満別とほぼ同じ距離!)とそれなりにあるので、巡航速度が遅いことは飛行時間にそれなりに影響します。東京〜女満別ジェット機だとタキシング(地上走行)も含めて、1時間40分ほど、ATRだと2時間30分くらいはかかることになります。

また、ATRは航続距離も問題となります。ATR42-600の航続距離は1500km。つまり、無給油では往復できません。つまり小笠原空港に給油設備を設けなければ、帰りの便は硫黄島基地へのテクニカルランディング(給油のための着陸)が必要になります(そもそも民間で使えるのか??)。もしくは、小笠原空港に給油施設を設け、定期的にタンカーで輸送する必要があるわけです。ちなみに小笠原での急患搬送に利用されている救難飛行艇US-2の航続距離は4200kmです。

また、東京発の便が小笠原空港まで行って引き返すためには燃料が持たないので、天候などで小笠原空港に着陸できなくなる可能性があれば、欠航せざるをおえなくなり、欠航が多くなるものと予想されます。ダイバート先は硫黄島基地以外ありません。離島路線では、着陸できず引き返すことも想定し、往復分+αの燃料を搭載するのが普通ですが、ATRでは対応できません。

よって、ATR42-600Sは小笠原にとっては物理的に離着陸可能でも、使いづらい機種といえます。

 

そこでMRJのSTOLバージョン

そこで提案したいのはMRJSTOL機です。例えば、MRJ70ERの航続距離は3090kmあります。往復の1.5倍とまさに、ちょうどいい距離です。ただし、難点としてはジェット機であるがゆえ、滑走距離が長いこと。離陸で1620m、着陸で1430m。これでは1000mの滑走路では運用できません。

STOL性能を向上させるためにはまず出力を上げること。幸いMRJ搭載エンジンであるプラット・アンド・ホイットニーPW1000Gシリーズにはもう少し大きな推力のものがあります。ファン径はやや大きくなりますが、エンブラエルE195-E2で使用しているPW1923Gあたりは1.5倍の推力になります。もちろん補強など一部再設計が必要でしょうが…。エアバスA220(ボンバルディアCシリーズ)のPW1524Gは1.6倍の推力です。このくらいになれば、計算上は1000mで離陸できそうです。

ただし、エンジンの出力を上げるだけでは着陸滑走距離を短縮できません。なのでそこでブレーキの強化が必要になります。ここで日本の技術です。離陸のために単に出力のでかいエンジンを乗せるのではなく、ランディングギア(タイヤ)にモーターを取り付けます。離陸時はモーターのアシストで加速し、着陸時はそれを回生ブレーキとして用いる。

もちろんS失速速度を下げるためフラップ(高揚力装置)などの改良もできるでしょうから、いろいろ工夫をして1000m滑走路で運用できるMRJ70を作るのはどうでしょうか?(もちろん1000mで運用するときは最大重量である必要もないので、技術的に不可能ではないでしょう…。)そしてMRJ70-OSRなんて名前で出したらどうでしょう。OSRって何かって?Options for Short Runwayです。そしてもちろんOgaSawaRaです!

 

1000m滑走路の空港

天草空港の滑走路は1000mです。天草は本土からそんなに離れていないですから、ジェット化する意味はさほどないのかもしれませんが、東京など主要都市との直行便を設定できることになります。

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(↑ 1000m滑走路の天草空港:滑走路短いですね…)

ただ案外日本に1000m滑走路の空港ってあまりないんですね。多分ジェット機ターボプロップ機には短すぎ、レシプロ機には長すぎるんでしょう。1200m以上にするか、800mにするかということになってしまうんでしょう。

とはいえ、MRJ70は喜界島や与論島など1200m滑走路でも運用できませんので、STOLバージョンを設定することで、こういった空港や、1200mへの拡張を計画している波照間島(現在800m)なども1000mへの拡張のみで運用できるとなれば、かなり魅力的だと思われます。

ATR42-600が売れていることを考えれば、ATR42の路線を、70人のジェット機で置き換えられるならそれなりには需要があると思いますがいかがですかね…。